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教育情報 2018年4月アーカイブ
30年度神奈川県公立高校入試 学力検査結果
【 神奈川県公立高校入試結果・平均点(全日制)の推移 】
--- 25年度から共通選抜・各教科100点満点 / 24年度以前は後期選抜・各教科50点満点 ---
--- 25年度から共通選抜・各教科100点満点 / 24年度以前は後期選抜・各教科50点満点 ---
教科 | 国語 | 数学 | 英語 | 理科 | 社会 |
30年度 | 65.6 | 56.0 | 56.1 | 45.3 | 41.8 |
29年度 | 73.1 | 63.5 | 51.9 | 46.9 | 54.5 |
28年度 | 64.7 | 51.7 | 43.0 | 46.5 | 52.0 |
27年度 | 64.4 | 52.6 | 51.8 | 37.4 | 50.2 |
26年度 | 60.8 | 51.7 | 59.6 | 38.6 | 49.5 |
25年度 | 67.8 | 65.5 | 54.8 | 51.1 | 68.4 |
24年度 | 35.5 | 33.5 | 34.4 | 32.1 | 31.3 |
23年度 | 34.5 | 32.7 | 38.3 | 32.7 | 35.8 |
22年度 | 37.0 | 31.2 | 38.8 | 34.2 | 36.8 |
21年度 | 39.2 | 32.2 | 36.7 | 30.9 | 33.5 |
20年度 | 34.8 | 31.1 | 33.5 | 35.4 | 32.3 |
(25年度より各教科50点満点から 100点満点へと変更されています。
神奈川県公立高校入試(全日制)の結果が公表されました。
昨年度から導入された「マークシート」の解答形式による2年目の入試となりました。
昨年からマークシートが取り入れられたとは言っても、記述式の問題は従来通り残され「思考力・判断力・表現力」が問われる内容に変わりはありません。
しかし、今年度はマークシートによる解答問題が若干増加し、文章により解答する記述問題が多少減少しました。
しかし全体的には、むしろ難しくなった傾向にあり教科別の平均点の下降に現れています。
入試制度改革以降、知識偏重型の問題から正確に問題を読み解き、そこから知識力をベースに結論を導き出し、それをどう表現するかを問う内容の問題へと変わっていますが、今年度の内容はより高いレベルへと深化しています。
教科別には、大問の配列や配点に大きなありませんでしたが、小問の数や配点、小問ごとの選択肢の数の変更などの変化がみられました。
以下に今年度の各教科の入試問題の内容(変化を含め)を記します。
□ 英語 □
リスニングが2点増え、適語選択が各2点→3点、語順整序が3点→4点に。
英文記述3題→1題、資料を含む文章の読解3題→2題へと変更。
リスニングは、聞きながら文脈をキチン押さえる。
昨年までの聞き取れば解答できる内容の問題がなくなり、聞き取った内容を元にした数値処理や適語(単語)を考え記入する問題など、聞き取った情報を発展させて答える問題へと深化しています。
英作文や長文読解の問題は、英文を論理的に構成する力、英文から正確に情報を読み取る力を問う問題でした。
特に英作文は、未来における受動態を盛り込んだ疑問文を記述する問題、既習の文法や文章構成の力が問われる内容で、日頃から英語に幅広く接した学習が必要な問題でした。
□ 数学 □
計算問題が、数字の記入形式から番号選択(マークシート)形式に変更、各大問最後の問題で番号選択形式→数値記入形式に改められた事により全体的に難易度が上がったと思われます。
図形の証明問題は全記述の完全証明から部分穴埋め(記述)となり、最後に角度を求める問題が出題されました。
単問形式の問題では、問3(ア)で相似と三平方を組み合わせて解く難度の高い問題が出題されました。
関数の問題(ウ)では図形の性質を利用しつつ正確な計算技能が求められました。
確立の問題は、長い問題文を正しく理解し正確に計算を進めていく力が求められました。
最後の証明問題は、穴埋めとなり一見易しくなったようですが、「4点が同一円周上にある」という、ふだんではあまり目にしない内容の記入が出題、証明の流れに図形の性質を入れ理論的に説明する力が求められました。
□ 国語 □
小説文が長くなり、論説文では記述する問題が出題されず記述問題は1題だけとなりました。
全体の作業量は減りましたが、各選択肢の判断レベルは昨年よりも高いものが求められる内容でした。
漢字の出題は、さほど難しい内容ではなく得点に有利な問題でした。
小説文の文章量は増加し、新しい出題形式も見られましたが、主人公の心情は汲み取りやすい内容でしたが、文章をきちんと理解できる力が正誤選択の判断の基準です。
論説文は比較的読みやすい内容でしたが、述べている内容は決して簡単ではなく、正しく読み取り分類・整理する力が求められました。
最後の記述問題は、資料の内容を記述する問題になったことが昨年と異なり、資料からどんな事が言えるのかをまとめてそして表現する力が問われました。
□ 理科 □
例年通り全分野から出題され、理科的に深く思考する問題の出題でした。
問題の出題順序や形式に変化はありませんでしたが、文章を記述する問題が2題→1題に変更となりました。
<物理(問5)> : オームの法則や発熱量についての理解がポイントで、グラフの内容の正確な理解が求められました。
電圧・電流・抵抗・電力・電力量について問われた内容に従って正しく結論付けていく力が求められる内容でした。
<化学(問6)> : イオンへのなり易さについて、実験についての会話文からどのような実験をすれば導き出したい結論が得られるのかを問う問題でした。
<生物(問7 )> : 葉緑体のない“ふの部分”で蒸散が起こるのかという、ふだんあまり目にしないテーマで問6同様どのような実験をすれば導き出したい結論が得られるのかを問う問題でした。
<地学(問8)> : 2つのグラフからどちらが“気温”でどちらが“湿度”かを正しく判断し、そこから導き出す結論を問う問題でした。
□ 社会 □
問題の順序に変更はなかったものの、広範囲にわたる知識が求められ、その知識に基づいて思考し正しい答えを導き出す力が求められました。
文章記述問題は、長い字数を書く問題がなくなり15字以内で記述する形式が1題出題されたのみでした。
しかし、逆に選択形式の問題の難度が全体的に高くなり、昨年に比較し平均点で12.7点も下がりました。
<地理> : 時差に関する問題。会話文の内容と略地図にもとづき、どの生徒がどの都市に住んでいるのかを選ぶ形式の問題でした。
促成栽培と抑制栽培に関する都道府県名およびそれらの栽培方法で生産された農作物のグラフの読み取りなど、知識と資料から結論を導き出す問題が多く出題されました。
<歴史> : 昨年と異なり「並べ替え」の問題が選択肢の多い“6択” や“該当するものを全て選ぶ”などの形式の問題が4題出題されました。
歴史分野ではありますが、歴史・地理・公民などを関連付けた学習方法が必要な問題です。
<公民> : 時事的な内容を含めた政治・経済の広い範囲にわたる知識と、その知識を用いて正しく結論付ける判断力が求められる内容でした。
《 まとめ 》
25年度の入試制度改革以降の「思考力・判断力・表現力」を求める出題の傾向に変わりはありませんが、昨年度の「マークシート」導入により記述の作業時間が減ったものの選択肢を選ぶ内容はより深化した難度の高いものへと変わっています。この傾向は次年度以降も継続されると予測されます。
神奈川県の公立高校入試で良い結果を出す為には、普段からの学習でたくさんの演習を繰り返す事により知識量だけでなく(知識力がある事がベースですが)考える力を身に付けていく事、思考力・判断力そして表現力を早い段階から習慣として身に付けていく事が大切です。
昨年度から導入された「マークシート」の解答形式による2年目の入試となりました。
昨年からマークシートが取り入れられたとは言っても、記述式の問題は従来通り残され「思考力・判断力・表現力」が問われる内容に変わりはありません。
しかし、今年度はマークシートによる解答問題が若干増加し、文章により解答する記述問題が多少減少しました。
しかし全体的には、むしろ難しくなった傾向にあり教科別の平均点の下降に現れています。
入試制度改革以降、知識偏重型の問題から正確に問題を読み解き、そこから知識力をベースに結論を導き出し、それをどう表現するかを問う内容の問題へと変わっていますが、今年度の内容はより高いレベルへと深化しています。
教科別には、大問の配列や配点に大きなありませんでしたが、小問の数や配点、小問ごとの選択肢の数の変更などの変化がみられました。
以下に今年度の各教科の入試問題の内容(変化を含め)を記します。
□ 英語 □
リスニングが2点増え、適語選択が各2点→3点、語順整序が3点→4点に。
英文記述3題→1題、資料を含む文章の読解3題→2題へと変更。
リスニングは、聞きながら文脈をキチン押さえる。
昨年までの聞き取れば解答できる内容の問題がなくなり、聞き取った内容を元にした数値処理や適語(単語)を考え記入する問題など、聞き取った情報を発展させて答える問題へと深化しています。
英作文や長文読解の問題は、英文を論理的に構成する力、英文から正確に情報を読み取る力を問う問題でした。
特に英作文は、未来における受動態を盛り込んだ疑問文を記述する問題、既習の文法や文章構成の力が問われる内容で、日頃から英語に幅広く接した学習が必要な問題でした。
□ 数学 □
計算問題が、数字の記入形式から番号選択(マークシート)形式に変更、各大問最後の問題で番号選択形式→数値記入形式に改められた事により全体的に難易度が上がったと思われます。
図形の証明問題は全記述の完全証明から部分穴埋め(記述)となり、最後に角度を求める問題が出題されました。
単問形式の問題では、問3(ア)で相似と三平方を組み合わせて解く難度の高い問題が出題されました。
関数の問題(ウ)では図形の性質を利用しつつ正確な計算技能が求められました。
確立の問題は、長い問題文を正しく理解し正確に計算を進めていく力が求められました。
最後の証明問題は、穴埋めとなり一見易しくなったようですが、「4点が同一円周上にある」という、ふだんではあまり目にしない内容の記入が出題、証明の流れに図形の性質を入れ理論的に説明する力が求められました。
□ 国語 □
小説文が長くなり、論説文では記述する問題が出題されず記述問題は1題だけとなりました。
全体の作業量は減りましたが、各選択肢の判断レベルは昨年よりも高いものが求められる内容でした。
漢字の出題は、さほど難しい内容ではなく得点に有利な問題でした。
小説文の文章量は増加し、新しい出題形式も見られましたが、主人公の心情は汲み取りやすい内容でしたが、文章をきちんと理解できる力が正誤選択の判断の基準です。
論説文は比較的読みやすい内容でしたが、述べている内容は決して簡単ではなく、正しく読み取り分類・整理する力が求められました。
最後の記述問題は、資料の内容を記述する問題になったことが昨年と異なり、資料からどんな事が言えるのかをまとめてそして表現する力が問われました。
□ 理科 □
例年通り全分野から出題され、理科的に深く思考する問題の出題でした。
問題の出題順序や形式に変化はありませんでしたが、文章を記述する問題が2題→1題に変更となりました。
<物理(問5)> : オームの法則や発熱量についての理解がポイントで、グラフの内容の正確な理解が求められました。
電圧・電流・抵抗・電力・電力量について問われた内容に従って正しく結論付けていく力が求められる内容でした。
<化学(問6)> : イオンへのなり易さについて、実験についての会話文からどのような実験をすれば導き出したい結論が得られるのかを問う問題でした。
<生物(問7 )> : 葉緑体のない“ふの部分”で蒸散が起こるのかという、ふだんあまり目にしないテーマで問6同様どのような実験をすれば導き出したい結論が得られるのかを問う問題でした。
<地学(問8)> : 2つのグラフからどちらが“気温”でどちらが“湿度”かを正しく判断し、そこから導き出す結論を問う問題でした。
□ 社会 □
問題の順序に変更はなかったものの、広範囲にわたる知識が求められ、その知識に基づいて思考し正しい答えを導き出す力が求められました。
文章記述問題は、長い字数を書く問題がなくなり15字以内で記述する形式が1題出題されたのみでした。
しかし、逆に選択形式の問題の難度が全体的に高くなり、昨年に比較し平均点で12.7点も下がりました。
<地理> : 時差に関する問題。会話文の内容と略地図にもとづき、どの生徒がどの都市に住んでいるのかを選ぶ形式の問題でした。
促成栽培と抑制栽培に関する都道府県名およびそれらの栽培方法で生産された農作物のグラフの読み取りなど、知識と資料から結論を導き出す問題が多く出題されました。
<歴史> : 昨年と異なり「並べ替え」の問題が選択肢の多い“6択” や“該当するものを全て選ぶ”などの形式の問題が4題出題されました。
歴史分野ではありますが、歴史・地理・公民などを関連付けた学習方法が必要な問題です。
<公民> : 時事的な内容を含めた政治・経済の広い範囲にわたる知識と、その知識を用いて正しく結論付ける判断力が求められる内容でした。
《 まとめ 》
25年度の入試制度改革以降の「思考力・判断力・表現力」を求める出題の傾向に変わりはありませんが、昨年度の「マークシート」導入により記述の作業時間が減ったものの選択肢を選ぶ内容はより深化した難度の高いものへと変わっています。この傾向は次年度以降も継続されると予測されます。
神奈川県の公立高校入試で良い結果を出す為には、普段からの学習でたくさんの演習を繰り返す事により知識量だけでなく(知識力がある事がベースですが)考える力を身に付けていく事、思考力・判断力そして表現力を早い段階から習慣として身に付けていく事が大切です。
(早稲田育英ゼミナール 読売ランド教室) 2018年4月11日 16:44
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