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数字の単位と「京」という名のコンピューター
今日はゴールデンウィークの真っ只中ですが、当教室は今日もいつも通りの授業に生徒たちが通ってきています。
世間一般ではお休み週という事で、今日のブログは骨休めの豆知識です。
数学の時間や新聞などでよく見る数字の単位、百・千・万は日常的に使うのでよく知っていると思います、その上の位 億・兆 は新聞などではよく見かける単位ですが、それより大きな数字の単位は知っていますか。
まず単位で表される数字の大きさを考えてみましょう。
百は10の2乗です。
千は10の3乗、万は10の4乗、億は10の8乗、兆は10の12乗というように、数字で書くと0(ゼロ)の数がどんどん増えていきます。
1兆を数字で表すと「 1000000000000 」 こんな感じです。
ではその「兆」の上の単位はと言うと、「京(けい)」 「垓(がい)」 「杼(じょ)」「穣(じょう)」 「溝(こう)」 「澗(かん)」 「正(せい)」 「載(さい)」 「極(ごく)」 「恒河沙(こうがしゃ)」 「阿僧祇(あそうぎ)」 「那由他(なゆた)」 「不可思議(ふかしぎ)」 「無量大数(むりょうたいすう)」と続きます。
無量大数は10の68乗で、数字で表すと100000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000 となります。
不可思議や無量大数とは、良くつけた名称で不可思議を辞書で引くと「常識では理解できない不思議なこと」とあります。
常識の範囲を超えた数字と言うことでしょうか。
そんなに大きな数字の単位は、日常生活ではほとんど使わないと思いますが「京」くらいまでは覚えておきたいところです。
いずれ国家予算の単位も京くらいに膨らむかも知れません。
ところで、「京(けい)」という名前のスーパーコンピューターがあります。
家庭用の身近なコンピューターは「パソコン」…パーソナルコンピューターですが、スーパーコンピューターとは、主に科学技術計算などの超大規模な計算処理が目的の文字通りスーパーなコンピューターです、「スパコン」と略されたりもします。
家庭用のパソコンの何十倍もの速度で速く計算する為の優れた能力を持っています。
スパコン「京」は、1秒間に1京回の足し算や掛け算の計算ができます。
私たちが電卓を使って計算する時、1回の計算に1秒かかるとしましょう、1京回の計算を終えるのには3億年という歳月がかかってしまいます。
3億年前の地球と言えば、恐竜が生きていた時代よりもっと昔です。
その途方もない計算をあっという間にこなしてしまう「京」は世界トップクラスのスーパーコンピューターです。
「京」は一時 民主党政権時代の事業仕分けの際に「一番じゃなきゃダメなんですか。」で有名になったアレなんです。
結果的に2番や3番になったとしても、世界レベルに追い付くには1番を目標に高度な技術開発をしなければ2番・3番にもなれないかも知れません。
世界のスーパーコンピューターの計算速度を定期的にランキングするトップ500において、「京」は度々世界1位になっています。
2014年6月そして2015年7月、Graph500で世界1位になりました。
Graph500とは、ビッグデータ処理におけるスーパーコンピューターの世界的なランキングです。
「京」は計算速度だけでなくビッグデータを解析する能力においても世界トップの能力を持っていることが証明されたのです。
「京」には8万個以上のCPU(演算装置)が組み込まれています。
864台のラックに備えられたCPUが分担して計算にあたります。
1台のラックの中に4個のCPUが配置されたシステムボードが24台入っています。つまり1台のラックに96個のCPUが入っています。
「京」全体では実に82,944個のCPUが一斉に働くわけです。
家庭用のパソコンの中のCPUは大体1個か2個ですので、その凄さが分かります。
ラックどうしはそれぞれケーブルで繋がれ相互に通信を行います。接続されるケーブルは20万本も存在し、その延長は1,000キロメートルにも及ぶそうです。
1,000kmというと東京・博多間の距離とほぼ同じです。
計算速度が速いと今まで出来なかった精度の高いシミュレーションが可能になり、新たな発見や新しい研究への道が拓けます。
例えば今まで2年かかっていた心臓のシミュレーションが「京」を使うと1日で出来るようになりました。
現在「京」は、創薬、地震、津波、気象、宇宙、物づくり、材料の開発など幅広い分野の研究で活用されています。
もともと多くの分野の研究者が使うことを前提に設計された訳ですが、毎年新しい分野のソフトウェアもどんどん開発されています。
スーパーコンピューターは、気象や震災の影響などの予測にも活用するもので、演算速度が速ければその予測結果を導き出すことも速くなります。
今後、災害の予測や地震のメカニズムに迫ったり、津波や豪雨による災害予測の研究がもっともっと進められていくものと思われます。
世界一のコンピューターに期待は高まります。
(早稲田育英ゼミナール 読売ランド教室) 2017年5月 5日 20:38