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『 学力と成績、そして入試との関係 』 その2
それでは学校の成績と公立高校の入試がどんな関係にあるのか…。
神奈川県の公立高校の入試(共通選抜)は、中学校から志望校(受験する高校)宛てに提出される“調査書(内申)”と入学試験日に実施される“学力検査”そして“面接”、この3つを総合的に評価し入学許可者を選抜します。
簡単に書くと
『中学の成績(内申)』+『学力検査(筆記試験)』+『面接』= 選抜基準(S値)
この選抜基準“S値 ”の事をもう少し詳しく説明します。
中学の成績は、2年生の評定は1倍、3年生の評定は2倍して合計します。(換算内申点)
評定は5段階評価の9科目ですから満点は135点です。
入試当日の学力検査は、英・数・国・理・社の5教科それぞれ100点満点の
合計500点満点でテストが実施されます。
面接は、100点満点です。
中学の成績・学力検査・面接 それぞれスケール(満点の点数)が違うのでただ足し算すると言う訳にはいきません。
そこで次の式を用いて同一の尺度にして合計点を出します。
・成績(内申)点をA、・学力検査の点数をB、・面接点をC とします。
(特色検査を実施しない一般的な高校の例)
○第1次選考(S1値)
S1 =(A÷1.35×f)+(B÷5.0×g)+(C÷1.0×h)
※S1は1,000点満点の数字になります。
ここで算出したSの値の高い方から順番に各高校の募集定員の9割までを合格とします。
算式の中にf・g・h の3つの記号が出てきました、これは各高校が中学の成績・学力検査・面接 の3つの評価基準のうちのどの項目に重点を置いて合格者を選抜したいかによって各高校が独自に決めている割合です。
合計して10になる数値(特色検査を実施しない一般的な学校)を各高校が発表します、この数値をf(内申)・g(学力調査)・h(面接) に置き換えて掛け算します。
2014年度入試ではf : g : h が2:6:2の高校から6:2:2の高校まで存在しました。
成績(内申)・学力検査を同じ比重で評価する4:4:2を採用する高校が一番多かったですが、上位校では学校の成績より当日の学力検査の結果を重視する傾向にありました。2:6:2や3:5:2など。
2:6:2 … 2校 (学力検査最重視)
3:5:2 … 40校 (学力検査重視)
4:4:2 … 89校 (内・学 均衡評価)
3:5:2 … 36校 (内申重視)
6:2:2 … 7校 (内申最重視)
3:4:3 … 1校 (学力検査・面接重視)
4:3:3 … 7校 (内申・面接重視)
面接はほとんどの高校で2割の比率で評価していますが、過去2年間の採点(簡易開示を請求した受験生のデータ)を見る限りでは、各高校とも面接で大きく差をつける結果とはしていない事が分かります。
(面接重視型の一部のデザイン系学科・福祉系学科は確認が取れていません)
○特色検査について。
通常は、ほとんどの高校で英・数・国・理・社の5教科の学力検査のみを行いますが、この5教科に加えてもう1科目学力検査(特色検査)を行う学校があります。
特色検査を行う高校は、県内26の高校及び学科で実施しています。
大別して2つのタイプに分類できます。
(1) 芸術(音楽・美術)・スポーツ系学科 看護・福祉系学科(実技を伴う検査を実施)
(2) 25年度の入試制度改革以前に独自問題を実施していた旧学力向上重点指定校を含む上位校(5教科を横断した総合的な知識問題や情報分析力を問う問題を出題)
(1)(2)ともに各学校独自の問題を出題しています。
特色検査を実施する高校のS値の算出は次の式となり、特色検査D及び比率 i が追加されます。(特色検査は100点満点)
S1 =(A÷1.35×f )+(B÷5.0×g )+(C÷1.0×h )+ (D÷1.0×i )
※ 特色検査Dを含む高校は、S値が最大で1,500点満点となります。
(例1)横浜翠嵐
2( f.内申) : 6( g.学力調査) : 2(h.面接) : 2(d.特色検査) / S値1,200点満点
(例2)市立橘・スポーツ科
3( f.内申) : 3( g.学力調査) : 3(h.面接) : 5(d.特色検査) /S値1,500点満点
橘高校のスポーツ科は特殊な例で身体能力検査を最重要視しています。
特色検査実施校のタイプ別分類表は次ページ
○ 第2次選考(S2値)
第1次選考が内申(中学の成績)を加味し各校募集定員の9割を選抜するのに対し、内申を考慮せず当日の学力検査と面接の結果のみで定員の1割を選抜する選考を第2次選考と言います。
合格できるのは定員の1割ですのでこれを目標にすることはお勧めしません。
主に帰国子女や県外からの転入者など神奈川県内の中学校に内申データがない生徒に対しての選抜方式と考えて下さい。
ただし内申がボロボロでも学力検査の一発勝負で跳び抜けた点数を取れる自信があれば別ですが…。
S2 =(B÷5.0×g )+(C÷1.0×h )【 + (D÷1.0×i) 】
※ g ・ h の値は1次選考の数字とは異なります。
※ 特色検査を実施する学校は【 】部分を付加し合算
○ 内申点及び学力検査点数の重点化
一部の高校で、ある特定の教科に比重をかけ重点評価する高校がある。
特に芸術系の高校・学科や国際学科で実施する高校が多い。
例えば美術の評定を2倍、学力検査も美術を2倍にしてS値を算出して選考に当たる…或いは音楽科では同様に音楽を重点化する。
国際科などでは英語を重点化する学校があります。
これにより内申は135点満点から変化する、学力検査も500点満点とは限らない、等の高校が存在する。
(例)生田 自然科学
調査書の教科のうち数学・理科の評定を2倍 … 165点満点
学力検査のうち数学を2倍 … 600点満点
この場合のS値の計算式
S1 =(A÷1.65×f)+(B÷6.0×g)+(C÷1.0×h)
中学在学中からある特定の教科が突出して優秀な場合は、このような重点化選抜基準を設けている高校を志望する事もひとつの選択肢となると思います。
またこういった高校は入学後も重点を置いた指導をするので、自身の持っている能力をより以上に引き出し将来の進路設計にも助けとなってくれる学校だと思います。
※ 生田高校・自然科学コースは29年度より普通科に統合されました。
詳しくは、こちら → “ 神奈川県公立高校入試変更点( 1 )” ・ “ 神奈川県公立高校入試変更点( 2 )” “ 神奈川県公立高校再編計画 ” をご覧下さい。
学力と成績、そして凡その入試制度の事について書いて来ましたが、神奈川県の入試制度そして高校別の選抜の特色は多岐に渡り計算も面倒です、学校の先生に相談するも良しですが熟慮のうえ行きたい高校を決めて下さい。
データをたくさん持って進路相談に乗ってくれるのは、学校の先生より信頼できる地元の塾ですが…。
先日ある保護者からこんな話しを聞きました。
学校の進路相談の時に突っ込んだ質問を先生にしたら…『そう言う事は塾で聞いて下さい。』と言われてしまってビックリしたそうです。
しかし先生を責めるという事より模試などの詳細なデータを持たない公立中学校では、全体の中での生徒のポジションが分からず正確な進路指導が出来ないのが現実ですので、致し方ない返答だと思います。
その1から述べて来たように、まずは学校での成績につながる日々のガンバリを忘れない事、入試当日の点数獲得対策(テクニック面)はまだこれからでも間に合います。
もうすぐ前期が終わりますが、まだ3年の最終評定が出た訳ではありません、諦めず内申点を上げる努力をしましょう。
S値の計算を見てのとおり、出来る限り内申を上げることにより志望校に対して入試当日の学力検査で獲るべき点数が下がる相関関係にあると言う事を忘れずに…。
『学力と成績、そして入試との関係』その①
『学力と成績、そして入試との関係』その③
神奈川県の公立高校の入試(共通選抜)は、中学校から志望校(受験する高校)宛てに提出される“調査書(内申)”と入学試験日に実施される“学力検査”そして“面接”、この3つを総合的に評価し入学許可者を選抜します。
簡単に書くと
『中学の成績(内申)』+『学力検査(筆記試験)』+『面接』= 選抜基準(S値)
この選抜基準“S値 ”の事をもう少し詳しく説明します。
中学の成績は、2年生の評定は1倍、3年生の評定は2倍して合計します。(換算内申点)
評定は5段階評価の9科目ですから満点は135点です。
入試当日の学力検査は、英・数・国・理・社の5教科それぞれ100点満点の
合計500点満点でテストが実施されます。
面接は、100点満点です。
中学の成績・学力検査・面接 それぞれスケール(満点の点数)が違うのでただ足し算すると言う訳にはいきません。
そこで次の式を用いて同一の尺度にして合計点を出します。
・成績(内申)点をA、・学力検査の点数をB、・面接点をC とします。
(特色検査を実施しない一般的な高校の例)
○第1次選考(S1値)
S1 =(A÷1.35×f)+(B÷5.0×g)+(C÷1.0×h)
※S1は1,000点満点の数字になります。
ここで算出したSの値の高い方から順番に各高校の募集定員の9割までを合格とします。
算式の中にf・g・h の3つの記号が出てきました、これは各高校が中学の成績・学力検査・面接 の3つの評価基準のうちのどの項目に重点を置いて合格者を選抜したいかによって各高校が独自に決めている割合です。
合計して10になる数値(特色検査を実施しない一般的な学校)を各高校が発表します、この数値をf(内申)・g(学力調査)・h(面接) に置き換えて掛け算します。
2014年度入試ではf : g : h が2:6:2の高校から6:2:2の高校まで存在しました。
成績(内申)・学力検査を同じ比重で評価する4:4:2を採用する高校が一番多かったですが、上位校では学校の成績より当日の学力検査の結果を重視する傾向にありました。2:6:2や3:5:2など。
2:6:2 … 2校 (学力検査最重視)
3:5:2 … 40校 (学力検査重視)
4:4:2 … 89校 (内・学 均衡評価)
3:5:2 … 36校 (内申重視)
6:2:2 … 7校 (内申最重視)
3:4:3 … 1校 (学力検査・面接重視)
4:3:3 … 7校 (内申・面接重視)
面接はほとんどの高校で2割の比率で評価していますが、過去2年間の採点(簡易開示を請求した受験生のデータ)を見る限りでは、各高校とも面接で大きく差をつける結果とはしていない事が分かります。
(面接重視型の一部のデザイン系学科・福祉系学科は確認が取れていません)
○特色検査について。
通常は、ほとんどの高校で英・数・国・理・社の5教科の学力検査のみを行いますが、この5教科に加えてもう1科目学力検査(特色検査)を行う学校があります。
特色検査を行う高校は、県内26の高校及び学科で実施しています。
大別して2つのタイプに分類できます。
(1) 芸術(音楽・美術)・スポーツ系学科 看護・福祉系学科(実技を伴う検査を実施)
(2) 25年度の入試制度改革以前に独自問題を実施していた旧学力向上重点指定校を含む上位校(5教科を横断した総合的な知識問題や情報分析力を問う問題を出題)
(1)(2)ともに各学校独自の問題を出題しています。
特色検査を実施する高校のS値の算出は次の式となり、特色検査D及び比率 i が追加されます。(特色検査は100点満点)
S1 =(A÷1.35×f )+(B÷5.0×g )+(C÷1.0×h )+ (D÷1.0×i )
※ 特色検査Dを含む高校は、S値が最大で1,500点満点となります。
(例1)横浜翠嵐
2( f.内申) : 6( g.学力調査) : 2(h.面接) : 2(d.特色検査) / S値1,200点満点
(例2)市立橘・スポーツ科
3( f.内申) : 3( g.学力調査) : 3(h.面接) : 5(d.特色検査) /S値1,500点満点
橘高校のスポーツ科は特殊な例で身体能力検査を最重要視しています。
特色検査実施校のタイプ別分類表は次ページ
○ 第2次選考(S2値)
第1次選考が内申(中学の成績)を加味し各校募集定員の9割を選抜するのに対し、内申を考慮せず当日の学力検査と面接の結果のみで定員の1割を選抜する選考を第2次選考と言います。
合格できるのは定員の1割ですのでこれを目標にすることはお勧めしません。
主に帰国子女や県外からの転入者など神奈川県内の中学校に内申データがない生徒に対しての選抜方式と考えて下さい。
ただし内申がボロボロでも学力検査の一発勝負で跳び抜けた点数を取れる自信があれば別ですが…。
S2 =(B÷5.0×g )+(C÷1.0×h )【 + (D÷1.0×i) 】
※ g ・ h の値は1次選考の数字とは異なります。
※ 特色検査を実施する学校は【 】部分を付加し合算
○ 内申点及び学力検査点数の重点化
一部の高校で、ある特定の教科に比重をかけ重点評価する高校がある。
特に芸術系の高校・学科や国際学科で実施する高校が多い。
例えば美術の評定を2倍、学力検査も美術を2倍にしてS値を算出して選考に当たる…或いは音楽科では同様に音楽を重点化する。
国際科などでは英語を重点化する学校があります。
これにより内申は135点満点から変化する、学力検査も500点満点とは限らない、等の高校が存在する。
(例)生田 自然科学
調査書の教科のうち数学・理科の評定を2倍 … 165点満点
学力検査のうち数学を2倍 … 600点満点
この場合のS値の計算式
S1 =(A÷1.65×f)+(B÷6.0×g)+(C÷1.0×h)
中学在学中からある特定の教科が突出して優秀な場合は、このような重点化選抜基準を設けている高校を志望する事もひとつの選択肢となると思います。
またこういった高校は入学後も重点を置いた指導をするので、自身の持っている能力をより以上に引き出し将来の進路設計にも助けとなってくれる学校だと思います。
※ 生田高校・自然科学コースは29年度より普通科に統合されました。
詳しくは、こちら → “ 神奈川県公立高校入試変更点( 1 )” ・ “ 神奈川県公立高校入試変更点( 2 )” “ 神奈川県公立高校再編計画 ” をご覧下さい。
学力と成績、そして凡その入試制度の事について書いて来ましたが、神奈川県の入試制度そして高校別の選抜の特色は多岐に渡り計算も面倒です、学校の先生に相談するも良しですが熟慮のうえ行きたい高校を決めて下さい。
データをたくさん持って進路相談に乗ってくれるのは、学校の先生より信頼できる地元の塾ですが…。
先日ある保護者からこんな話しを聞きました。
学校の進路相談の時に突っ込んだ質問を先生にしたら…『そう言う事は塾で聞いて下さい。』と言われてしまってビックリしたそうです。
しかし先生を責めるという事より模試などの詳細なデータを持たない公立中学校では、全体の中での生徒のポジションが分からず正確な進路指導が出来ないのが現実ですので、致し方ない返答だと思います。
その1から述べて来たように、まずは学校での成績につながる日々のガンバリを忘れない事、入試当日の点数獲得対策(テクニック面)はまだこれからでも間に合います。
もうすぐ前期が終わりますが、まだ3年の最終評定が出た訳ではありません、諦めず内申点を上げる努力をしましょう。
S値の計算を見てのとおり、出来る限り内申を上げることにより志望校に対して入試当日の学力検査で獲るべき点数が下がる相関関係にあると言う事を忘れずに…。
『学力と成績、そして入試との関係』その①
『学力と成績、そして入試との関係』その③
(早稲田育英ゼミナール 読売ランド教室) 2014年9月18日 18:49